こんにちは、クチコミデザインの伊堂寺義則です
先日、ふと献血カードを見つけた
「そういえば、しばらく献血に行ってないな〜」と思い、カードを見てみると最後に行ったのは、なんと11年前!
献血センターは我が家から歩いていける距離だし、それで急に思い立って、時間ギリギリだったけど行ってきた
「骨髄バンクのドナーを募集しているのですが、話を聞いていただけませんか?」
受付を終えて待っていると「骨髄バンクのドナーを募集しているのですが、話を聞いていただけませんか?」と、担当の女性の方に声をかけられた
妻は以前から興味を持っていたらしく、待ち時間もあったので、「いいですよ」とふたりで話を聞くことに・・・
一通り、骨髄バンクのシステムや登録した後のプロセスを聞いて、もし自分が選ばれた後に、どんな手術をして提供することになるのか?説明を受けた
聞いてみると、その担当の女性の方は甥っ子さんを白血病で亡くしてしまったとのこと
まだ若かったらしく、あっという間だったそうで悲しいね・・・
それが、この仕事を始めるキッカケと話してくれた
ボクの個人的な話だけど、ボクの母は白血病を患っている
といっても、もう20年のキャリアで、ありがたいことに65才を超えた今でも元気に働いている
ただ、見た目は元気だけど、血液検査など数値としては、いつも油断してはいけない感じ
何度も入院して、手術もしたけど、もう治ることはない
免疫系の疾患なので、カゼをひいたりするだけでもかなり怖いし、毎年、冬の冷え込む日には手足がビリビリしびれるから心配・・・
だから冬に入るといつも気になるし、無事に春を迎えられるとホッとする
家族として、どんなに不安で、心配な日々を20年過ごしてきたか?
今でもそうなので、ボクには、その担当の女性の気持ちが想像できた
病気だけじゃなくて、事故・借金・離婚・破産・リストラ・死別など、人生のいろいろな問題の辛さや悲しさは、自分や家族が同じ立場になった時にはじめて、その人の気持ちが本当にわかるよね
だから、ボクと妻は「骨髄バンク」にドナー登録した

ただ、いかんせん、そのドナー募集のオファーがイケテなかった!
もし、ボクが骨髄を提供することになったら入院しないといけない、それまでに検査もたくさんある
その手術費用は、もちろん相手が支払ってくれるけど、それだけ
もちろん、その手術もリスクがゼロではない
ボクは仕事を休むことになるけど、その分の手当もない
もちろん感謝はしてもらえるけど、オファーをまとめると「お願いします!」だけ
「あれじゃ誰も登録せんよね」と帰りながら妻と話した
こういうドナー登録だってセールストークだし、特に、提供者は身体的・仕事的にリスクを負うわけだから、例えば、その後の医療サービスでメリットがあったり、シンプルにお金をいただけるだけでもいいから、提供者に何かプラスがないとね
献血だって、ドリンクにお菓子、粗品がもらえるのに
妻は以前から希望してたらしく、ボクは気持ちが想像できるので登録したけど、あれだと一般的には広がらないと思った
医療のことなので、いろいろ法律や事情があって、無理なこともあると思うけどね
セールスを成功させるための3つのエッセンス
セールスに与える影響力は、ざっくり言うと以下の3つ
1. 見込み客リスト(誰に売るか?)50%
2. オファー(商品・サービスの内容や取引条件)30%
3. コピー(どんな言葉や方法で伝えるのか?)20%
細かくはもっとあるけど、基本的にはこんな感じ
今回は、妻から「話だけでも聞いてみよう」と言われたのと、ボクが病気の家族を抱えている人だったので共感する部分があったし、話を聞く気になったから、結果的に「見込み客」としてハマったと言えるぐらい
そして次の「オファー」の部分で、お客さんであるボクが受け取るもののメリットはまったくない
セールスでは「弱いコピーを強いオファーでカバーすることはできるが、弱いオファーを強いコピーでカバーすることはできない」と言われている
したがって、今回のドナー登録のセールスの影響力としては半分にも満たない感じ
実際、その担当の女性の方に「1日何人ぐらい、お話を聞いてもらえるんですか?」とお聞きしたら、ボクと妻で「今日はお二人で4,5人目です」とのこと
後で、この献血センターの受付の人に1日の来館数を聞くと、平日で50人/日、週末で100/日ぐらいとのことだった
つまり、話を聞いてもらえるまでにいくまでの成約率が5〜10%
実際にドナー登録してもらえるのは、もっと低い数字になる
ただ、それでもセールスの成約率としては低くはないし、今回の場合はドナー登録のシステムの課題だから、その女性としてはトーク(コピー)を頑張るしかないんだけどね
オファーで失敗してたら、どんなに伝え方が上手でも、巷でどんなに流行っているメディアを使ったとしても、セールスが台無しになる(成功率は半分以下になる)
だから、お客さんがほしいものが提供できているか?
オファーをしっかり見直したり、オファーでお客さんのほしい部分を強調したりすることが、とても大切になる
あと、オファーは売り物や取引条件なので、コロコロ変えることはできない場合が多い
だから、その前のそもそも「誰に売るか?」「どの見込み客にアプローチするか?」の選別が非常に重要になる
一番最悪なのが、誰にでも同じものを、同じ売り方で売ること
あなたにとってみたら大勢のお客さんのうちの一人かもしれないけど、お客さんから見たら「あなたと私」という1対1の関係だからね
スモールビジネスはお客さんの数が少ないからセールスをひとり外してしまうと勿体無い
そのあたり丁寧にやっていこうね
P.S. 今回は医療の法律や業界の事情は無視して、あくまでこのエピソードをセールスとしてみたボクの私見なので、正確な規定に沿ってない部分はご容赦してね
P.P.S.実際に、自分のところに提供の依頼が来たら、やっぱりビビるだろうな〜 その場面に直面した時に、はじめて、自分の気持ちがわかるし、患者さんは、もっとその想像以上の不安や心配をいつも抱えているもんね。「骨髄バンクのドナー登録」広がってほしいね