『競合にコピーされない強み』を作る5つの視点

伊堂寺義則こんにちは、クチコミデザインの伊堂寺義則です。

この間、8ヶ月オンラインコースの時にお客さんたちと「そもそも競争しない・比べられない・戦わない世界に立つことが大切だよね」と話していた。

ビジネスは常に競合がいるから比較がつきものだし、お客さんに選ばれ続けないといけない厳しい世界。ただ、競争には良い面もあって、競争があるからこそ、商品やサービスが磨かれてさらに良いものをお客さんに提供できる。だけど、ずっと競争するのも疲れるから、そこから脱却したいというのもわかる。

そこで今回は「どうやってお客さんにとってユニークな存在になるのか?」ファンづくりに悩んでいる人ほど、読んでほしい。

スモールビジネスはパワー勝負をしてたら必ず負ける

ボク自身はマーケティングやセールスは原理原則を大切にしているんだけど、そもそものコンセプトの表現やポジショニングをユニークにすることで、クチコミを生み出すやり方を採用している。

スモールビジネスはリソース(資源)に限りがあるから、お金・マンパワー・商品開発力みたいなパワー勝負をしてたら必ず負けるからね。

例えば、お金を使ってYoutuberのようなインフルエンサーに、商品やサービスをクチコミしてもらうことはやらないし、そもそもスモールビジネスはそういうことはできない。一発当てるなら、その時だけは可能かもしれないけど、クチコミは中長期的に取り組むものだからね。

だから、ボクは顧客対象を一般から少しズラしたり、世界観のネーミングに気を遣ったりして、お客さんにとってユニークな存在になることにエネルギーを注いでいる。それだったらスモールビジネスでも十分に渡り合えるからね。

発想や表現力といったクリエイティビティ(創造性)で勝負してると言ったらカッコイイかな。

Conceptual image of individuality and different

『競合にコピーされない強み』を作る5つの視点

それで、オンラインコースの時に『競合にコピーされないもの』を強みにしていく、という話をしたんだよね。『競合にコピーされないもの』とは何か?、ボクが大切にしている5つの視点をシェアするね。

1. 世界観

世界観を言葉にするのはいつも難しいけど、例えば、コンセプト・ミッション・ヴィジョン・カルチャー・価値観・理念など、あなたがしっくりくる言葉で受けとってもらえたらいいよ。ボクは世界観のことを「あなたが大切にしたいことの集合体」とお伝えしている。

どんなお客さんが対象なのか?、どんな価値を提供するのか?どんな世界に連れて行ってあげるのか?、そんなことをすべて含んでいる。それをシンボルになるひとつのキーワードで表現してほしい。

ボクの場合は『クチコミデザイン』だけど、これに決めるまでに300個以上のキーワードを書き出して、4ヶ月の時間がかかったよ。もう10年以上前の話だけどね。

あなたが大切にしたいこと、しかもその集合体は、あなたが選択するものだからマネされないし、キーワードまではコピーされないからね。

2. お客さまの声

「お客さまの声」もあなたが直接、そのお客さんに価値提供して、喜ばれたものだからコピーされないよね。お客さんの困りごとを解決したり、ほしいものを提供した実際の証拠になる。

特に、アーリーステージ(起業直後)の人は、売上や利益よりも「お客さまの声」をしっかり集めることにフォーカスしてほしい。商品やサービスのセールスページにずらっと「お客さまの声」が並んでいるだけで迫力が出るからね。

あなたもamazonや飲食店、ホテルなどを選ぶ際に、レビューの数や星印など、お客さまからの評価が高いものを選ぶと思うけど、それが「お客さまの声」のチカラ。

3. スタイル

これは商品やサービスならパッケージングだったり、ボクみたいなサービス業だったら、どんなパフォーマンスで表現するのか?というスタイルのこと。例えば、ボクならマーケティングやクチコミのノウハウを、“わかりやすく、笑いや楽しさを込めたエンターテイメントとして”提供できるようにしている。

同じものでも、ワイルドで力強く伝えることもできるし、優しく癒す感じで伝えることもできる。お客さんにどんな印象や気持ちを感じてもらいたいのか?、あなたのことをどんな存在として認知してもらいたいか?で、あなたらしいスタイルを確立してほしいし、それはコピーされない。

4. アンフェア・アドバンテージ

アンフェア・アドバンテージは直訳すると「不公平な強み」なんだけど、わかっていても競合が同じ土俵に立てない強み、と思ってもらえるとわかりやすいかな?

例えば、ボクの場合では“英語力”がアンフェア・アドバンテージのひとつ。最近、海外のマーケティングツールが優れているから、ボクも使ってるし、ウチのお客さんにもその情報を出しているけど、英語ができないライバルは、わかっていてもマネできない。

あなたの知識・スキル・経験と何かを掛け合わせて、競合が同じ土俵に立てないアンフェア・アドバンテージを見つけてほしい。ちなみに海外では、アンフェア・アドバンテージは素晴らしいものとして認識されていて、かつ、重要視されているよ。

5. 過去の体験やストーリー

あなたの過去の体験やストーリーも、あなた自身に実際に起きた出来事だからコピーされないよね。成功体験・失敗体験を重ねて、それが商品開発ストーリーとして伝えられると気持ちも熱くなる。

ボクたちは過去20年ぐらい、ベストセラー作家の方たちとたくさん仕事をしてきたけど、その出会いと仕事を通して、ファンをどうやって作るのか?どうやってクチコミが生まれて広がっていくのか?を肌で体験してきたよ。

映画・ドラマ・小説なんかはフィクションだけど、ボクたちがのめり込んで、一喜一憂して感情を動かされるのは、それらがストーリーだから。あなたの過去の体験はユニークだし、もしそれをドラマティックなストーリーとして伝えることができれば、誰にもコピーされない強みになる。

差別化のポイントを、商品やサービスではなく、世界観やあなた自身に移行させていく

今回あなたにやってもらいたいことは、上記にピックアップした5つからあなたの強みは何があるのか?を考えてみて。複数ある場合は、それらを掛け算をして、誰にもコピーされない強みに昇華させてほしい。

ボクはよく、「クチコミしてもらいたいなら、ミュージシャンみたいなユニークな存在になって、ファンを増やしていこう」とお伝えしている。ミュージシャンは音楽も素晴らしいけど、熱烈なファンはその人自身のことも好きになる。音楽以外のスタイルをマネしたり、価値観も影響を受けたり、新しいファンを増やすために積極的に発信する。

ボクたちも提供する商品やサービスが良いものであることは前提だけど、自分たちが持つ世界観やスタイル、ストーリーに共感してもらって、好きになってもらう。少し抽象的な言葉で言うなら、あなたの商品・サービスにお金を払ってもらうのではなくて、よりパーソナルな“あなたという存在”とつながるためにお金を払ってもらう。商品やサービスはシンボルで、根っこはあなた自身のファン、になると強い。

差別化のポイントを、商品やサービスではなく、世界観やあなた自身に移行させていく。そしてお客さんとのつながりを、メリットがあるからを超えて、共感や好きになってもらう。そうすると、そもそも競争しない・比べられない・戦わない世界に立つことができるし、お客さんを超えたファンも増えて、クチコミも広がっていくよ。

P.S. ずっと長期案件のお客さんの仕事でキャパオーバーだったけど、そのひとつが終わりに近づいてきた。なかなか大変だったけど、新しい知識とスキルを獲得できてパワーアップしたし、情報発信してあなたにも還元していくのでお楽しみに〜。

強みは、時代やお客さんに合わせてこそ意味がある

2019.06.16

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ABOUTこの記事をかいた人

クチコミデザイン代表 スモールビジネス専門のクチコミマーケッター スモールビジネス専用の新クチコミ理論【フラット・クチコミ】の提唱者。現在までに、小さな会社の経営者や個人起業家を対象に1,000件以上ものクチコミ支援を行っている。